平屋住宅と税金

注文住宅を新築しようとする場合には、平屋住宅と2階建て住宅のどちらにすべきかは迷うところですが、税金の面でいえば、一般的なプランであれば、それほどかわらない可能性もあります。注文住宅に関連する税金としては、まずは新築したてのときに1度だけ徴収される不動産取得税、その後毎年の所有者に対して課せられる固定資産税というものがあります。
両者は基本的には同じような建物を建築するときにかかる費用をもとにして、その構造や材質などからこまかな評価基準によって評価額を求め、評価額に対して一定の税率を掛けることによって、最終的な税金の金額を算出しているのです。そのため、2階建て住宅、平屋住宅といった階数の違いよりも、グレードの高い資材を使っているかどうかといった部分のほうが、評価額に影響をおよぼす可能性があります。

もっとも、一般的なことをいえば、2階建て住宅よりも平屋住宅のほうが、同じ床面積あたりでみると、屋根の部分の面積や基礎の大きさなどといった部分で、2階建て住宅よりもよけいに資材を消費している部分がありますので、平屋住宅のほうが高くなってしまう傾向はあるといえます。
ただし、そのようにして税金が高くなるとはいっても、よほどの豪邸ではなく、一般的なファミリー向けの住宅であるかぎりは、数千円程度の違いがあるかどうかといった程度ですので、あまり気にかける必要もないといえます。

なお、注文住宅を新築する場合、中古の住宅とは違って、固定資産の評価額は、まだ正式にはきまっていない状態ということになります。そのため、税金の金額を算出する根拠をつくり出すため、後日、役所のスタッフが、直接新居をおとずれて、さまざまな部分を現場でチェックして回ることになっています。このチェックに関しては、国税庁が発出している固定資産の評価基準をもとにして、それぞれ事項を点数に置き換えて判断をするということになります。点数付けのポイントは実にこまかいもので、外壁、柱、天井、基礎、床板、屋根、建具といった、あるゆる部分に及ぶとみてさしつかえないでしょう。
こうして求められた評価額は、以後は新築から時間が経てば経年劣化なども加味して引き下げられるため、新築のときの評価がそのまま何年も同じということはありませんので、一般的に、中古になればなるほど税金の金額も安くなってくるものです。もしも評価額に不満がある場合は、役所に対して審査の申し立てをすることも可能です。