平屋住宅と耐震

注文住宅で新築物件を建てると言う場合、平屋住宅にしようかどうかを迷う人も多いかと思われます。平屋住宅には、住宅機能をコンパクトにまとめることができると言うメリットがあります。またこれ以外にもメリットがあり、それが地震の揺れに対して強いとされている点です。二階建ての場合、屋根に加えて二階部分の重みが地震の揺れを増幅させることもあります。また一階部分は二階部分、屋根部分の重量を支えているわけですから、揺れが大きい場合には一階から倒壊しやすいとも言うことができます。その点、平屋は一階だけですから、支える重量が二階建てに比べるとずっと軽くて済みます。更に建物の形が二階建てのように縦に高いのではなく横にぺったりと広がるような形をしているので、建物そのものの安定性が高い、そして地面に対しての安定性が高いと言うのも、平屋住宅が地震に強いと言われている理由です。

ただしだからと言って、平屋住宅に耐震が不要だと言うわけではありません。注文住宅で、しかも新築で建物を建てるわけですから、耐震性能も導入しやすいです。よってたとえ平屋住宅であったとしても、最低限の耐震は導入しておいた方が安心です。最も基本的な耐震としては、壁を増やす、部屋と部屋の仕切りを増やす、窓ガラスの数を減らしたり、その大きさをできるだけ小さなものにすると言う方法が挙げられます。また壁や床の建材を、より強固な性質を持つ健在にすると言うのも有効な方法です。費用が許すようであれば、特殊な装置で揺れを吸収する制震や、地面と基礎の間に特殊な装置を設置し、建物に伝わる揺れの大きさを大幅に軽減する免震などを取り入れても良いです。新築ですから、屋根に対しての希望も採用しやすいです。よってより安全性を高めるために、平屋住宅であってもより屋根の素材を軽量なものにしておくと言うのも有効な耐震です。

また住宅に対する耐震だけではなく、揺れによる二次災害を防ぐための工夫も必要です。平屋住宅の場合、二階住宅に比べると部屋数が少ないことが多い分、物が一か所に集中しやすい傾向にあります。そうした物が一気に倒れると、たとえ住宅は無事でも命の危険に直結したり、避難の妨げになることも少なくはありません。ですから家具は倒れないようにできるだけ固定しておくことが必要です。あるいは平屋住宅の特性を活かして、家具だけの部屋を作っておくと言うのもひとつの方法です。そうすれば、家具はその室内だけで転倒するので、命の危険に至ったり、避難の妨げになる可能性も低くすることが期待できます。